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インタビュー : 代表取締役社長 堀 健一

自立した個としての社員が、強いチームを構成し、「挑戦と創造」を重ねる……
それこそが、これからも続く三井物産の姿である。

堀 健一

Kenichi HORI

代表取締役社長

1984年、経済学部卒業後、三井物産入社。精密化学品部の配属となり、染料、顔料といったファインケミカル製品のトレーディングを担当。1988年、米国シカゴ大学ビジネススクールに留学。1990年からは、米国三井物産投資課の配属となり、本文中にもあるNovus社の買収等を担当し、1993年から、同社に経営企画本部長として出向している。1995年に日本に帰任し、本店精密化学品部、企業投資開発部投資事業室長等を経験した後、2006年から、Senior Vice Presidentとして再び米国三井物産に赴任。2009年から、商品市場部長。以降、2010年、IR部長、2013年、経営企画部長、2014年、執行役員経営企画部長、2017年、常務執行役員ニュートリション・アグリカルチャー本部長等を歴任し、2019年には代表取締役専務執行役員に就任。2021年4月より現職。

「人の三井」という言葉は、歴史の中で、数多くの価値ある事業を生み出してきた、三井物産という会社、そしてその社員の姿を表現したものである。しかし、激動する世界を先導し、その時代の文脈に合わせた自己変革を行っていかなければ、いつしかこの「人の三井」という言葉も色褪せたものになっていくだろう。ここでは、世界中で多様な事業の現場に身を置いてきた、代表取締役社長/堀健一へのインタビューによって、グローバルで一目置かれるビジネスコミュニティーで責任あるメンバーとして認められる存在であり続けるために、三井物産とその社員に求められるのは、どのようなものなのかを検証してみたい。

OB訪問で垣間見た人材の多様性に惹かれて

随分古い話になって恐縮なのですが、堀さんの入社動機ですとか、就職活動の頃に三井物産にどのような印象を持っていたかというあたりから、先ずお話をお聞きしたいと思います。

学生の頃に考えていたのは、とにかく世界に出て行って仕事をしたいということでした。その思いが先ず強くあって、私が就職した1984年当時、世界、グローバルということに徹底的にこだわっていたのは、やはり総合商社であり、とりわけ三井物産は、歴史を紐解いても日本と海外の橋渡し役をずっとやっていて、ここだったら自分がやりたいことができるのではないかと考えていました。それで、何人かのOBの方に連絡をとってお会いしたわけですが、これが出てくる方出てくる方がまったくタイプが異なっていて、型にはまっているところがない。ソフトな方もいれば硬派の方もいる、寡黙な方、やたらと饒舌に語る方、目の前の仕事の大切さを語る方、長期的な展望を語る方、本当にそれぞれ個性豊かで、この何でもありな感じというか、人材の多様性に本当に惹きつけられましたね。当時、自分もそれなりに個性的な人間なのではないかという自覚症状を持っていたこともあり(笑)、この会社だったら自分の居場所があるんじゃないかという直感、確信のようなものを感じました。

それで、三井物産に入社して最初の配属は精密化学品部。ここでは、どのようなお仕事に携わっておられたのでしょうか?

染料とか顔料といった、化学品バリューチェーンの川下に位置するような商品のトレーディングを担当していました。一つひとつの商売自体は結構細かいのですが、入社1年目からいろいろと任せてもらい、自分なりに手応えを感じることができました。実際、一人ひとりの活躍の場が大きく、輸出、輸入、国内商売と、さまざまな形の仕事に触れることができましたし、それこそ一つの商店主のように、自分自身が仕事に携わっていることの手応えを感じることができ面白かったですね。しかし今思えば、“商店主のような手応え”を感じることができたのは、当時の上司や先輩が若手の活躍できる舞台をしっかり用意してくれていたからだということに後になって気づきました。

事業経営の最前線に身を置き、掴み取ったもの

なるほど。それで、精密化学品部で4年ほど経験を積まれた後は、ビジネススクール留学、米国の事業投資先への出向と、まさに世界を舞台にしたキャリアを歩んでこられたわけですが、そうしたさまざまななお仕事を振り返っていただいて、堀さんの社会人としての、人間としてのあり方に大きな影響を与えたと思われる出来事、出会いを、紹介いただけますでしょうか?

入社5年目に米国のビジネススクールに留学させてもらって、その後米国駐在になるわけですが、その頃に取り組んだ飼料添加物事業の買収、そして新会社の立ち上げは、私の中ではやはり重要な体験だったと思います。

1991年にモンサント社の飼料添加物事業を買収して立ち上げたNovus社(ノーバス)社ですね。この会社は、三井物産の中期経営計画2023の中でStrategic Focusの一つに掲げられているヘルスケア・ニュートリション領域へやがて繋がっていく流れの一つであり、また、総合商社が主体的に事業会社の経営に参画する端緒になったものと思いますが、いかがでしょうか?

おっしゃる通りですね。「端緒」では無いですが、好例とは言えると思います。そもそも、こうした買収が実現できた経緯を少しご説明しておくと、買収以前から三井物産は飼料添加物の販売を世界中で手掛けており、マーケットの構造や顧客の特性、ビジネスに潜在するリスクをマネージするために求められるものといったことを十分に理解していたということが、前提としてあるわけです。この事業買収、新会社設立は、言うなれば、三井物産自身がメーカー経営に乗り出すということですから、そこにはもちろん、トレーディングとは別次元のリスクが存在しますが、先にお話ししたようにビジネスの特性や市場の構造を深く理解していたが故に、取るべきリスクと取ってはいけないリスクを峻別し、思い切った決断をすることができたと言えるでしょう。

買収プロセスや買収後の経験で特に印象に残っていることについて詳しくお聞かせいただけますでしょうか?

買収のプロセスで最も大事にしたことは、買収先のプロフェッショナルたちと一緒に新しい会社で仕事をしていくということを視野に入れて、しっかりと信頼関係を築きながら進めるということです。買収成立後、私は経営企画本部長というタイトルでNovus社に出向し、経営に関わったわけですが、その時に上司から言われた、“Dare to be wrong〜失敗を恐れるな”という言葉は、今でも心に刻まれています。彼はもともと当社の別の子会社のトップを務めていて、新会社にCEOとして迎え入れた方でしたが、万全を尽くして新しいことに挑戦し、それで失敗したとしても必ず次につながっていく……しかし失敗を恐れて立ち止まってしまうと、そこで進歩は終わってしまうということをよく言われました。当時私も30歳少し手前くらいですから、彼との関係の中から非常に多くのことを学び、鍛えられたと思います。今でも私は、部下や若手社員と話をする機会があると、万全を尽くしたうえで何ができるのかを徹底的に考え、失敗を恐れずにとにかくやってみよう、ということをよく言います。

ビジネススクールで学んだことはあったとはいえ、実際に事業会社に出向し、経営に参加するというのは堀さんにとってもその時が初めての経験ですね。そこで体感されたものについては、いかがでしょうか?

出向者はその会社に入った以上、親会社から来たということは一旦横に置いて、会社の指揮命令系統に入ってライン責任を全うしなければなりません。ですから私は、Novus社の社員になり切るということを徹底していました。事業会社の最前線に身を置くと、本当に日々いろいろなことが起こるんですね。製造のバックアップラインが必要だから増設する、新しい商品ラインナップを加えるために他の会社を買収する、もちろん、長期のパートナーシップ契約をしている顧客との関係性を維持していくことも大切です。要は、この会社の成長力、競争力を保ちながらサステナブルな存在にしていくために、無限とも思えるような努力を毎日続けていくことになる。事業会社の経営というのは、そこに参加するスタッフが一つのチーム、クルーとして、大海への航海に出ているようなものなのです。風向きが変わったぞ、天気が変わったぞ、さぁどうする、というような。
こうした経験の中から体得したものというのはもちろん数多くあるわけですが、先ず、謙虚にさまざまな人の言うことを聞き、実証を重ねたうえで時には思い切った手を打つといったことが、良質な事業運営を行ううえではいかに重要か、ということですね。こうした経験を経ていると、それが糧になって、次にチャレンジすべき対象が現れた時も臆せず踏み込んでいくことができる。このあたりは、現場で体験するしかないことでもあり、なるべく多くの社員にも、同じような経験を積んでもらいたいと考えています。
あとは、自分自身が実際にやって成果を出すということが、仲間から、外部から信頼を得るためには極めて重要だということではないでしょうか。そして時には、自ら「火中の栗を拾う」ということ。つまるところチームワークというのはそういうもので、これは誰かがやらなければならないという問題=「火中の栗」があったとして、それを率先して拾いに行ける人間は、やはりメンバーから信頼されるのです。皆が進んで「火中の栗」を拾いに行くようなチームであれば、それは素晴らしい仕事を成し遂げることができるでしょう。

コロナ禍の中で明らかになったもの、そして

“事業経営人材の育成”というのは現在の三井物産にとっても重要なテーマであると思いますが、そうした観点からも非常に示唆に富んだお話であったと思います。それでは次に、世界情勢や三井物産の経営といったテーマに話題を移したいと思いますが、やはり先ず、2019年末以降世界に未曾有の災厄をもたらしている新型コロナウィルス感染症についてお聞きしたいと思います。コロナ禍のもとで個人も企業も大きな行動変容、価値観の転換を迫られていますが、こうした状況の中で、堀さんご自身がどのようなことをお考えになったかということをおうかがいしたいのですが。

世の中の課題に対処していくために求められるスピード感が変わったなという印象を強く持っています。例えばSDGsに象徴されるサステナビリティに関する問題、とりわけ気候変動問題といった、以前はもっと時間をかけて取り組むべきものと考えられていた大きな課題が、コロナ禍で人々の意識が先鋭化する中で、一気に世界中で取り組むべき課題へと浮上してきている。こうした環境の中で引き続き社会の役に立つ存在であり続けるためには、世界中で各担当分野に取り組む社員、チームが、自立的に考え、状況判断し、直ちに行動に移せる力を持っていなければならないでしょう。そうでなければ、グローバルな競争に取り残されてしまう。三井物産は幸いにして、物理的移動や対面のコミュニケーションが制限されるなかでも、なんとかそれぞれの現場が工夫を重ねて、仕掛かり案件も仕上げるし新規事業を進めることもできている。
私は最近、“インディペンデント・シンカー(Independent Thinker)”ということをよく言っているのですが、一人ひとりが自立的に物事を考える力を養うことは、プロフェッショナルとして仕事に取り組むうえでは極めて重要です。各々が自身の責任を明確に認識し、お互いのやるべきことを理解しているインディペンデント・シンカーが集まって共通のゴールを目指すとき、そこには本当に強いチームが生まれます。

コロナ禍のようなコミュニケーションが制約される状況も、インディペンデント・シンカーの集団であれば乗り越えられるということでしょうか?

その通りだと思います。冒頭お話した昔のOB訪問の話で、型にはまらないいろいろな人が三井物産にいる点に魅力を感じたとお話しましたが、さまざまなタイプの社員にも共通項があって、それがインディペンデント・シンカーであるということだと思います。三井物産には自分事として物事を考え抜くことができる人が圧倒的に多い。インディペンデント・シンカーとは何かということに関して一つ付け加えるとすれば、単なる独り善がりとは根本的に異なるということです。やはり、自分にとって耳の痛いことを言ってくれる人を周りに持って、そうした人の意見にもしっかりと耳を傾けることができる姿勢を身に付けていることが、本当の意味でのインディペンデント・シンカーであるためには大切なことだと思います。

資源/非資源の二元論を超えて

インディペンデント・シンカーとは人材論的にも非常に重要なキーワードであると思いますが、それでは続いて、三井物産の経営についてお聞きしたいと思います。2020年5月に発表された中期経営計画では、「環境と健康」「基盤事業の収益力強化」といった戦略課題も掲げられていますが、それらを踏まえ、今後注力していくテーマについては、どのようにお考えでしょうか?

先ず前提としては、三井物産はグローバルなネットワークとあらゆる産業分野へのアクセスを持っていますから、そうした力、機能を駆使して、世界的な大きな課題の解決に貢献し、それによって自らの収益基盤も拡げていくような経営を行っていかなければならないと考えています。そうした大きな課題に連なるものとして、エネルギー・トランジションやヘルスケア分野が先ず挙げられるでしょう。脱炭素社会の実現に向けたエネルギー・トランジションは、マーケット側のリテールからエネルギー、インフラ、化学・素材、デジタルトランスフォーメーションに至る幅広い視野と産業知見を駆使する必要がある複合的な課題です。世界中の人々のクオリティ・オブ・ライフの向上を目指す広義のヘルスケアも、医療のみならず、その周辺にさまざまな機能を付加していく非常に拡がりのあるテーマであり、三井物産の将来を牽引する“成長のエンジン”として取り組んでいきたいと考えています。また金属、化学品、インフラ、モビリティといった分野では、これまで培ってきた強い業界プレゼンスを活かし、新しい文脈を加えて、パートナーや顧客から三井物産と組みたいと言われるような仕事を積み上げていく。そのためにさらに足腰を強くしていきたいと考えています。

メディアではよく、「三井物産の課題は非資源分野の強化だ」ということが言われますが?

私は資源/非資源の二元論で語ることはもはや意味が無いと考えています。例えば、先に触れたエネルギー・トランジションにおいて、我々のコア事業の一つであるLNG(液化天然ガス)が重要な橋渡しの役割を担うことは間違いありませんが、更に求められるのは、再生可能エネルギーや次世代エネルギー等も含めたトランジションの全体最適を、デジタル技術等も活用しながらいかに実現できるかということでしょう。そこで求められるのは、分野を横断し、業際をつないでいく構想力、課題解決力であって、資源/非資源といった旧来的な区分はもはや無意味なのです。こうした事業開発においては、“組み合わせの妙”“業際の技”とも呼ぶべきものが非常に重要であり、そこには、広範な産業とのチャネル、グローバルなネットワークを有する三井物産だからこそ実現できる課題解決、価値創造が確実に存在しています。ですから私は、かなり要求水準の高い希望であることは承知しつつ、各社員、部門に対して、それぞれの得意技をしっかり磨くだけでなく、複数の得意技をもってそれらを組み合わせていく必要があると言っています。
また、やや中長期的な視点でお話しすれば、私はグローバルなビジネスコミュニティーにおける三井物産の立ち位置、プレゼンスを、もっともっと高めていきたいと考えています。世界のビジネスコミュニティーにおいて本当に尊敬され、一目置かれている企業というのはやはり、社会、世界の役に立つ事業を実現することにこそ自らの存在意義があるということをしっかりと自覚したうえで、そうした存在であり続けるために自己変革を重ねる覚悟を持っています。社員に対しては、三井物産という会社は常にそうした水準での責任ある仕事をしていくんだ、社員一人ひとりが常にそうした自負と矜持を持って仕事に取り組んでいくぞ、と言っています。

インディペンデント・シンカーが協働し、
「挑戦と創造」を重ねていくこと

なるほど。ここからは少し、三井物産の理念や企業文化、そして人材についてお話をうかがっていきたいと思います。三井物産の伝統、文化といったものを語るとき、よく「挑戦と創造」「自由闊達」「人材主義」といった言葉が使われますが、堀さんがお考えになる、三井物産の誇るべき伝統、文化とは?ということについてお聞きしたいのですが。

やはり「挑戦と創造」というところに必ず立ち戻るように思います。時代ごとに取り組むべき課題というのは変わっていくわけですが、インディペンデント・シンカーである社員達が個々の責任を全うし、チームワークを発揮しながら、三井物産という舞台をフルに活用して「挑戦と創造」を続けていく……これが、これからも永遠に変わらない三井物産の姿であると私は考えています。そして、こうした仕事の担い手が大多数であるならば、それこそが、「人の三井」という社会からの呼称に応えることになるのではないでしょうか。

インディペンデント・シンカーというのは、三井物産の人材モデルとしてよく言われる「強い“個”」とも重なり合うものなのではないかと思いますが、こうしたインディペンデント・シンカーを育み、マネージしていくためには、どのようなことが必要だとお考えになりますか?

小さな成功を大事にして、次につなげていくということではないでしょうか。スモールサクセスを積み重ねていけば、その先に必ず大きなインパクトを持った仕事につながっていくはずですし、そうしたトレーニングを重ねてきた人材は、“変曲点”、つまり、潮目が変わるタイミングというのが読めるようになる。大きな仕事、インパクトを持った仕事というのは、往々にして変曲点の先に現れるものなのです。ですから、普段から自己鍛錬を重ねて変曲点において大きな力を発揮できるよう潜在力を常に溜めておくということが、とても重要になってくるわけです。

常に“高み”を目指しながら、
足元の現実解を積み重ねていく姿勢

ここまでのお話も非常に強い人材に関するメッセージでもあると思いますが、改めて、現在の三井物産の社員に求められるものについては、いかがでしょうか??

社員にはとにかく、高みを目指してほしいと考えています。自分にとって精一杯の高みを目指しながら、足元の現実的な課題にしっかりと解を出していく。私はよく「実行/実考」ということを言うのですが、足元の現実的な課題への解を求める実行、実考を積み重ねていくと、いつしか高い山の頂に立っていて、そこからは全く違った風景が見えてくる。そしてその頂からは、更に高い山の頂を見渡すことができて、また新たなチャレンジの対象を発見することができる。このように、常に自分自身にとっての高みを目指しながら、足元の課題に、ひたむきに、真摯に取り組んでいくことが大切なのです。足元の課題に目を背け、高みばかりを見ていても観念的になってしまうので意味がありません。現実解を見出すことに全身全霊で取り組みながらも、目の前のことばかりではなく高みを見ているからこそ、変曲点が訪れたときに思い切った、正しい手を打つことができる。そこから、社会に大きなインパクトを与える、本当に価値ある事業が生まれるのです。三井物産において事業の大きな柱となっているものの多くも、実はそうした過程の中から生み出されていると私は思います。

それでは、三井物産を志望されている学生の皆さんも含めて、若い人材に期待されるのはどのようなことでしょうか。

世界中の高い志を持った方達と切磋琢磨する場に、堂々と身を置いてほしいということですね。三井物産はそのための舞台や道具を用意して、背中を押してあげるところまでは間違いなく手助けします。欲を言えば、その中で自分自身がまた新しい舞台をつくって、それを三井物産に持ち帰ってくれると素晴らしいと思いますが(笑)。

なるほど。最後に、少し抽象的な質問になりますが、堀さんにとって三井物産とはどういう存在かということをおうかがいしたいと思います。

自分自身にとってというより、私の立場としてということでお話しさせていただけば、やはり、連結4万5千人のグループ全体の社員が活躍する大舞台であり、社会の、世界の役に立つ舞台であるということではないでしょうか。そして、その担い手は常に人であって、一人ひとりが、ある時は主役になり、またある時は名脇役になる……そうしたサイクルを繰り返しながら、各人が自らのキャリアを全うし、本当に社会に求められる、価値ある事業を生み出していく存在……それが三井物産なのではないかと私は考えています。